プリザンターで営業情報、開発案件を一元管理。理美容店向けWebデータベースシステムも構築

グローバル・アスピレーションズ株式会社 代表取締役 松原 学 様
  • 商談で出た重要事項をプリザンターに入力し、部員、管理者間で共有
  • カスタマイズによってタスクをチケット管理し、進捗状況を一覧表示
  • 理美容店向けに各顧客の施術画像の保管、収支の可視化ツールも外販

課題 : Excelのマクロ機能を活用した業務管理に感じた限界。“速さ”“高い検索性”を評価し、プリザンターを導入

 グローバル・アスピレーションズは、顧客の案件に応じてシステムのコンサルティング、企画、設計、開発、保守・運用に加え、インフラの設計、構築まで手掛ける、システムのトータルデザインを提案できるSI会社です。特に、Microsoft SQL Serverの設置を得意とし、2017年、自ら勉強会「JSSUG(Japan SQL Server User Group)」を立ち上げ、運営。参加者は1088名を数え(2021年2月時点)、SQL Serverの勉強会としては国内最大級の規模。最近では、Microsoft AzureベースのCloud化の販売に注力し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する顧客に対し、導入実績も上げている状況です。大手顧客としては富士フイルムが挙げられ、幅広い分野で技術支援を行っています。

 こうして事業がスケールする中、課題となっていたのが、営業部員が足で稼いでくる営業情報や、開発案件の進捗状況など、各種ナレッジデータの管理です。以前は、社長の松原学氏自らExcelのマクロ機能を使って自前の管理表を作成していましたが、問題が山積。「私しか見方、使い方が分からず、従業員に入力を依頼すると、せっかく組んだマクロが全て崩されて返ってくる始末でした。誰でも簡単に使うことができ、情報を共有できるツールはないか探していたところ、2017年、私たちが望む「機能」、「その使い勝手の良さ」、「速さ」、「分かりやすさ」を兼ね備えたプリザンターに出会うことができ、これは誰もが欲しがる製品だと実感しました。

 松原氏は、デモを見てまず驚いたのが、Webデータベースでありながら、サクサク動くその“速さ”です。検索ではキーワードを入力すると、該当する事項が確実に表示され、“検索性の高さ”も際立っていました。「今、Excelで行っている全ての作業が、プリザンターでは、高い精度で行うことができ、なおかつ誰でも簡単に入力が可能で、データの管理や共有も非常にしやすい。これが基本的には無料で、しかもローコードで構築できるのです。もう、Excelでマクロを組むのはやめよう。そう決めて、当社ではプリザンターの導入による業務の抜本的改革を行うことに舵を切ったのです」(松原氏)。

導入:営業先で得られる“宝の山”を全てプリザンターで管理。ハイライト機能、チケット管理で重要・優先事項を見える化

チケットは矢印キーで表示内容が切り替わる仕組み。一覧性と内容把握が両立され、迅速な意思決定を促進する優れた機能

 グローバル・アスピレーションズが当初に着手したのが、営業情報の集約です。誰がどの顧客といつ何を話して、どのような課題を持っているかなど、営業部員が顧客先で得られた要点を全てプリザンターに入力し、デジタル情報として効率的に管理するシステムを作り上げたのです。「営業先で得られる情報はビジネスにとってまさに“宝の山”。17年から、顧客を訪問したら結果を入力することを継続し、膨大な貴重な情報を蓄積することができています。ある程度情報が蓄積されたら、期間を区切ってアーカイブ化し、検索性の速さを担保するなど独自の使い方も行っています」と、松原氏は話します。

 ただし、効率化を極めるためには、単に情報を蓄積するだけでなく、管理側の見やすさにも一工夫が必要です。そこで同社では、入力したテキストのうち「数字は青色」「社員名は緑色」「“注意”“重要”といった文言は赤色」と自動的にハイライトされるようにカスタマイズ。報告を見た瞬間に重要なポイントが目に留まるようにして、内容把握のスピード化を図っています。

 また、案件ごとにタスクに対し、よくシステム開発のプロジェクト管理で用いられる「チケット管理」の手法を活用。例えば、見積書の作成が済めば「済み」のステータスに、長い間未実施であれば「注意」のステータスにチケットをドラッグして移動させており、進捗状況と優先処理課題が、ひと目で把握できます。さらに、便利な機能なのが、タスクのチケットにカーソルを合わせてパソコンの矢印キーを押すと、その場で中身が展開表示され、画面遷移せずに一覧表示の状態で、内容を読める点です。長年使っていく中で、こうして「あると便利な機能」を次々とカスタマイズして実装し、プリザンターを使いこなすことで、自社業務の効率化を図っていったのです。「以前、営業部員は顧客先でメモし、毎週、週報も提出。しかし、その方法では負担が大きく、タイムラグも発生します。その点、今は客先訪問後速やかにプリザンターに入力することで、ほぼリアルタイムで情報を共有し、改めて週報を作る過程も不要。営業会議は、プリザンターを見ながら行うことができ、業務は格段に進化しています」(松原氏)。

成果 : 情報共有で取りこぼしを防ぎ、顧客の高評価も生む。サポート終了のデヂエ8のプリザンター移行も提案

 プリザンターの活用は、営業先、取引先での活動、評価にも好影響を及ぼしています。特筆すべき点が、営業部員同士の横軸での情報連携です。部員は、チケットによるステータス画面を確認することで、個々の案件の進捗状況を共有することができます。他の部員のタスクも常に把握しておくことで、病欠など諸事情で誰かが一時的に離脱した場合でも、他の部員が引き継ぐなど迅速なフォローができ、取りこぼしを防ぐことが可能になります。

 加えて、顧客を引き継いだり、代行して商談に行く際、過去の訪問履歴を遡ることで、事前情報を頭に入れた上で臨むことができます。「顧客は情報がしっかり共有されていること、同じ話を再度する必要が無く、本題やその先の話にすぐに入れることを、ことのほか喜びます。それが円滑なコミュニケーションを生み、評価や信頼性につながっていることを実感。プリザンターは業務の属人化を防ぎ、チームで営業することにも大きく貢献しているのです」(松原氏)。

 一方、同社がシステム会社としての本領を発揮する点が、プリザンターと他のシステムとのAPI連携を行える技術力です。「一つのシステムに全ての業務を集約するのは困難な場合もあり、既存システムとのAPI連携は重要な選択肢。当社では、別のグループウェアの情報をプリザンターに取り込み、カレンダー表示できるように改修しています。私たち同様にプリザンターの活用を視野に入れる際、こうしたAPI連携を図ることで、導入がしやすくなります」(松原氏)。

 さらに、従来使ってきたWebデータベースの情報をプリザンターに移行して使う場合も、API連携によって円滑に処理することが可能です。同社では、2023年9月末にサポートの終了が決まっている「サイボウズ デヂエ8」のプリザンターへの移行を提案しており、既に大手消費財メーカーで、8万点に及ぶCADデータの移行を短時間で成功させた実績を持っています。デヂエ8の移行先が見つからない企業にとっては、有効な手段となるでしょう。

将来展開: 理美容店を“ITサロン”にするソリューションを展開。プリザンターを使った業務DXで社会に貢献していく

お客様のカルテ表示では画像の一覧をサムネイル表示し、カーソルを合わせることで拡大表示されます。

 今後、グローバル・アスピレーションズでは、自社での導入で培ってきたノウハウを武器に、あらゆるビジネスの価値を向上させる切り札として、プリザンターの提案を加速させていきます。同時に、個別の業界に特化したシステムの提供も視野に入れています。その第一弾が、プリザンターを活用した理美容業務管理システムの開発、展開です。

理美容店向けに開発した収支可視化機能の画面。JavaScriptとPythonのプログラミング言語を使ってカスタマイズし、完成度が高い

 既に北海道札幌市の理美容店をモデルケースとして開発を先行させ、各顧客の施術結果を一眼レフカメラで撮影して保存し、次回来店時に、履歴の写真データを顧客と一緒に確認しながら、カットやカラーリングの方向性を決めるなど、効果的な利用が始まっています。その他、店舗の年、月単位の売り上げの目標と実績、利益、コストなどをグラフにした収支の可視化機能も実装。理美容店をプリザンターによって“ITサロン”にする新たなソリューション事業にも挑んでいます。「理美容店向けのプリザンターは、これから外販に力を入れ普及を目指す計画」と、松原氏は展望を描きます。

 それ以外にも、プロジェクト開発において、各工程のレビュー時にプログラムを解析して重複コードや脆弱性を自動抽出し、プリザンター上に時系列で表示する「不良プログラム自動可視化ツール」の開発も視野に入れています。「エンジニアにとって非常に便利なツールになります。プリザンターを使うことで、こうした様々なソリューションを開発し、社会に貢献していくことも、私たちの大切なミッションだと考えています」(松原氏)

企業名
グローバル・アスピレーションズ株式会社 ホームページ
所在地
東京都中央区東日本橋2-28-3 Nビル9F
設立
2013年6月27日
資本金
1,000万円
事業
個別の企業、案件に対し、システムに関するコンサルティングから、インフラの設計と整備、その上に実装するアプリケーションの企画、開発、保守まで、総合的なシステムインテグレーションをワンストップで提供。Microsoft Azureを用いたクラウディングサービスの提供やPleasanterの販売も展開。技術セミナー及び勉強会の主催、オフショア開発サービスも手掛ける。
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