- 損保や通販など個人情報をオンプレミス環境でセキュアに管理したい顧客にプリザンターで対応
- 顧客の業務管理では数多くの案件で縦横無尽に使い、自社のバックオフィス業務でも自在に活用
- 大手ベンダーの著名なクラウド型のWebデータベースとも共存させ、適材適所で運用
課題:損保やテレビショッピングなどでコールセンター業務を展開
個人情報の管理にオンプレミス型のWebデータベースを検討
ビーウィズは、顧客からBPO(業務のアウトソーシング)やコールセンター業務を受託して運営する事業を展開しており、東証プライム市場の上場企業です。顧客は約900社にも上り、損保、テレビショッピング、ケーブルテレビ会社、ITサービス企業、化粧品メーカー、飲料メーカーなど幅広い業種の企業と契約し、コールセンターやBPOサービスを提供しています。
同社では以前から、そうした社外の業務に加え、バックオフィスでの社内業務でWebデータベースを活用してきました。使っていたWebデータベースはオンプレミス型とクラウド型の2種類があり、どちらも、大手ベンダーが提供する著名な製品です。しかし、オンプレミス型については、サービスが終了する案内を受けており、業務を継続するために移行先を模索する必要性があったのです。
考え方としては、その大手ベンダーが提供するクラウドサービスに全ての業務を移行する手もあります。ただ、そうした場合、2つの問題が生じます。一つは、費用の問題です。そのクラウドサービスは1ユーザーにつき月額1500円程度かかり、人数が多いコールセンター業務で使った場合、多大な利用料金を支払うことになります。
そしてもう一つが、顧客によってはオンプレミス型のシステムを指定するケースが少なくないことです。その理由を同社で情報システム部門の役割を担う、コーポレート本部 IT基盤部 IT支援ユニットの梅原将史氏はこう説明します。「損保やテレビショッピングの運営会社から委託されるコールセンター業務では、個人情報を取り扱うことになります。そのため、クラウドではなく社内のサーバーでセキュアに管理することを契約の条件とする顧客が多いのです」。こうした背景から、同社では新たにオンプレミスでの構築が可能なWebデータベースを検討することになったのです。
システムの選定:無料で無制限にユーザーを登録できる圧倒的なコストメリット
使い勝手の良さからシステムの増強につながり、計7サーバーで運用
そんな中、同社が探り当てたのがプリザンターです。選定のポイントは3つです。まずは、オンプレミスの環境でシステムを構築できる点です。2つ目はオープンソースソフトウェアとして公開されているため、ユーザー課金がなく無料で無制限にユーザーを登録して使うことができる点です。「特にコールセンターでは、多くのオペレーターが個人情報を入力するツールとして使う場合があり、そうしたユーザー数が多い業務では圧倒的なメリットとなります」(梅原氏)。そして最後が、JavaScriptを埋め込むことで標準機能だけでは実現できない様々な機能を追加できる拡張性の高さです。
こうしてプリザンターの優位性を評価した同社は、最初にバックオフィスであるコーポレート部門での導入を進めます。「社内用」としてサーバーを立て、PCの管理や社内業務のFAQ、情報共有のための基盤として使用したところ、問題なく運営できると判断。そこで、次のステップで、「業務用」としてサーバーを構築し、コールセンターでの個人情報の管理、情報共有などに本格的に用途を広げて活用を進めていきました。
さらに、「非常に使いやすく、簡単に業務アプリを作れることから、ユーザーや社内の評価は日増しに高くなり、システム(サーバー)を増やしていった」と、梅原氏は言います。プリザンターの年間サポートサービスも最上位のプレミアムを契約し、さらにシステム追加オプション(プリザンターのサポート対象となるサーバーの追加)を契約。
社内用、業務用、特定クライアントのクローズド環境用など、合計7システムに増加。プリザンターを大規模に運用するシステムを整えたのです。
システムの運用:高速に動作するプリザンターがコールセンターの即時入力に貢献
ITの知識が無くても現場である程度作って使える点がメリット
現在、ビーウィズにとってプリザンターは業務に欠かせない“インフラ”となり、様々なプロジェクトで活用が進んでいます。例えば、テレビショッピングでは、番組中に電話で受け付けた注文に対し、購入者の氏名や住所などの個人情報や商品をオペレーターがプリザンターにお客様と通話をしながらリアルタイムで入力していきます。プリザンターは、プリザンターUIエンジンという独自の純正フレームワークを採用しており、Webアプリとしては非常に高速に動作する点が特徴です。そのため、電話で注文を受け付け、即座に情報を登録する業務でも、サクサクと動くことでスムーズな入力を実現しています。コールセンターという即時性が求められる業務でも、その優位性を十分に発揮し、プリザンターだからこそ、オペレーターの迅速な作業を支えることが可能になっているのです。
その他、各案件の掲示板としてメンバー間の情報共有に使ったり、勤怠管理ツールとして活用したりするなど、それぞれのユーザーが必要に応じて独自の使い方をしています。梅原氏と共に、社内でのプリザンターの運用をサポートする、IT支援ユニットの後藤友美氏は、「顧客の業種や業務の内容を問わず、多種多様な使い方ができる点が、プリザンターの魅力」と話します。
また、さらなるメリットとして後藤氏が実感しているのが、情シス部門の手間がそれほど掛からないことです。同社では、各案件の責任者からの申請に基づきIT支援ユニットがフォルダを作り、必要なメンバーに権限を与えています。そして、それ以降は、各責任者が自由にテーブルの項目を組んでいきます。「テーブルの作り方などはインプリムのマニュアルのURLを載せて、それを見て進めるように伝えています。使い慣れている責任者に至っては、JavaScriptのサンプルを参考にして自分で埋め込み、機能を追加しているケースもあります。そうやってカスタマイズして思うように動かない時や複雑な機能を加える時にだけ、IT支援ユニットが構築の手助けをするスタンスです」(後藤氏)。まずは現場が作ってみる。そこで足りない点があれば情シス部門がサポートする。ITの知識が無くてもマウス操作だけで業務アプリを作成できることがプリザンターの利点であり、ビーウィズでは現場主体の運用にすることで、その特性を活かした使い方を実践しているのです。
一方、従来使っていた大手ベンダーのクラウド型のWebデータベースも引き続き共存する形で運用しています。このサービスはドラック&ドロップで簡便にテーブルを作成できる特徴があり、その使い勝手の良さを好む責任者もいるからです。「プリザンターとどちらを使うかは現場次第。ただ、コスト面などを考慮してプリザンターを使う例が増えてきているのは事実です」(後藤氏)。
今後の展望:プリザンターでインシデントを記録するカルテシステムを構想
いまだに社内に残っているExcelでの業務管理も移行を推進
プリザンターを使い込んでいるビーウィズですが、今後も活用の幅をより広げていく計画です。「今、構想しているのが案件のカルテシステムを構築すること。インシデントが起こったら登録して履歴として残し、責任のある立場の者が、いつでも閲覧できるようにする業務アプリです。そうしてインシデントを効率的に共有することで、同一クライアントや他の案件での再発防止に役立てたいと考えています」(梅原氏)。
加えて、社内ではいまだに残っているExcelでの業務管理をプリザンターに移行することも推進していく予定です。「Excelは件数が多くなると動作が重たくなり、開くだけでも時間がかかるようになってしまいます。IT支援ユニットにも相談が持ちかけられ、プリザンターへの移行を勧める機会も増えています」(後藤氏)。前述の通り、プリザンターは独自のフレームワークを使うことにより、高速の動作を実現しています。同社で脱Excelが進めば、業務のスピードや効率が格段に上がることも期待できるでしょう。
ビーウィズ株式会社 エントランス