ローコード開発ツールのプリザンター導入により半期で1,800時間の工数を削減。サブスク方式のアプリ構築・保守運用サービスにも注力

プリザンターの画面をモニタに映しながらのペーパレス会議
  • 従来の紙やExcelを使った貸与品の棚卸やサービスカーの運行管理をより効率化
  • プリザンターをカスタマイズしたアプリ運用で“紛失”や“事故”を防ぐ
  • 国内約300拠点を活用し、プリザンターのサポートサービスも積極的に展開
    ※日立システムズグループが連携したネットワーク

課題:貸与品の棚卸管理が困難で実施状況も把握できない。サービスカーの日報は紙ベースで走行距離は手計算

日立システムズフィールドサービス(以下、HISYS-FS)は、国内約300拠点を活用し、顧客の身近な存在として、IT設備の構築から保守運用までを手掛ける技術者集団です。最近では、長年培ってきた保守ノウハウを生かし、製造業の協働ロボット、外食産業の配膳ロボットの設置や、障害時の現地での修理までワンストップで対応する「ロボティクスフィールドサービス」、あるいは顧客までエンジニアが出向き、各種資産の現物確認や管理ラベルの貼り付け、台帳整備からデータの維持・管理までトータルで行う「統合資産管理サービス」など、先進の保守ビジネスを展開しています。こうして多くの拠点を持ち、顧客のそばで寄り添うように、IT機器の管理や修理、障害発生時の対応など問題解決に一緒になって取り組める体制を整えていることが、同社の大きな強みとなっています。

そうした中、事業を支える原動力となっているのが、各拠点に所属し、日々、顧客の元を訪れてサポートしている全国に2000人以上配置されたフィールドエンジニアです。エンジニアには業務中に使うスマートフォン、タブレット端末など複数の必需品が貸与され、始業から終業まで、サービスカー(社用車)を運行しながら、客先を回るのが日課になっています。ただし、従来は貸与品の管理に課題があったと、サービス事業推進本部の小池浩次本部長は言います。「貸与品は各部門でExcelで管理し、定期的に棚卸も行っていました。しかし、多忙な時は実施されなかったり、誰が未実施なのか把握できていなかったりといった状況で、実質的に棚卸は有名無実化していたのが現状でした」。

一方、小池氏はサービスカーの管理面にも課題があったと話します。「運行時は用紙に記入し、乗務前に管理者に申告するのがルールでしたが、深夜・早朝の場合は、乗務後に管理者へ申告する運用になってしまいます。車両ごとに、走行距離や給油回数、給油量を月1回手計算しなければならないこともネックでした。また、ドライブレコーダーで危険運転を検知してクラウド上に保存されても、管理者がデータのチェックを行うのが月1回程度。安全運転指導までに時間が空いてしまうことも、管理上のリスクだったのです」。

導入:プリザンターならスクラッチ開発に比べて労力は5分の1
貸与品管理に導入し、全従業員への棚卸依頼や集計を自動化

JavaScriptを使ってダッシュボードとして利用できるようにカスタマイズ

業務上の課題が見えてくる中、社内でも働き方改革の大号令が発せられ、各部門、各拠点で徹底的な業務効率化を図ることが至上命題として浮上。業務の革新を待ったなしで進める必要性に迫られたのです。そこで、小池氏を中心に様々なツールを探索、検討し、活用の有効性を見出したのがプリザンターです。「オープンソースで仕様が公開されており、JavaScriptによるカスタマイズが可能で、万が一不具合があっても自分たちで直せるのが最大の利点。さらに、こうしたツールを作る際に最も労力を要する画面設計が不要で、機能などを選択するだけで、あっという間にできてしまう点も魅力で、スクラッチで作るのに比べて労力は5分の1で済みます。まさに探していたツールだと判断し、導入を進める決断をしたのです」。

当初、プリザンターの導入は、親会社である日立システムズとの案件の見積書や仕様書のやり取りなど受発注管理からスタート。従来、メールベースで行っていた作業をプリザンターに移行してWebデータベースで管理することによって、業務の可視化と共有が可能になり、属人化することなく、組織全体で案件をフォローできる仕組みの構築に成功しました。その成果を持って有効性を確認し、課題となっていたフィールドエンジニアの業務への採用も進めていったのです。

スマホやタブレット端末など貸与品の棚卸管理を実現。
翌日には全従業員分が自動集計され未実施者をひと目で確認

まずは、貸与品管理システムの導入です。毎週月曜日の朝、貸与品の棚卸を促すメールが自動送信され、プリザンターの管理画面にアクセス。従業員証やスマートフォン、タブレット端末などを付属のストラップが損傷していないかも含めて確認し、問題なければ画面上で確認日を入力して更新する一連の作業を、全てのエンジニアに課したのです。メール送信の翌日には、棚卸状況が一覧表で自動集計され、誰が実施し、誰が未実施かがひと目で分かるようになっています。

加えて、月1回は管理者に各エンジニアの貸与品の状況を、写真や目視で確認する「現認依頼メール」を自動送信。本人、管理者のダブルチェックによって精度を高めています。実際に活用している、横浜支店ソリューションサービスグループ矢野英二課長は、こう話します。「月曜になったら棚卸を行う習慣が浸透し、必然的に貸与品に対する意識が向上。ストラップが損傷していれば早めに交換するなど自己管理もなされ、結果、紛失防止にもつながっています」。

効果:サービスカーの運行日報はスマホ入力を実現しリアルタイム共有
危険運転発生時はデータを取り込み、タイムリーな指導を実現

様々な業務で全社的にプリザンターを使用

一方、サービスカーの運行管理システムでは、各エンジニアが乗務時にプリザンターの画面上で、車両の使用理由と安全管理者を入力・選択すると、管理者にメールが自動送信されます。管理者はメールで安全運転を行うよう指示して承認するなど、早朝や深夜でもこうした乗務前チェックが可能になります。次いで、エンジニアは画面に走行開始日時やメーターの距離を入力。スマートフォンの画面でも操作しやすいように最適化されて表示されるようにカスタマイズしているため、車両内で簡単に数値を打ち込めるのが優位点です。

帰着時は再度、日時や距離、必要に応じて給油などの情報も入力。安全運転を行ったかの振り返りも入れて、運転履歴の登録は完了します。「以前は、運行終了後に紙に書いて事務所のトレイに提出し、アシスタントが回収して集計後にファイリング。そのファイルを管理者が週1回、後処理で確認するフローでした。それが今ではプリザンター上でほぼリアルタイムでチェックできるようになっています。誰がどの車両でどこに行っているかも即座に確認でき、顧客から緊急の要請があった場合に対応できそうなエンジニアを派遣するディスパッチと呼ばれる業務への応用も可能になっています」(矢野氏)。

もう一つ、効果を発揮しているのが、危険運転の管理です。毎朝、前日の全車両に関してインシデントの有無をクラウド上からRPAによって自動的に取り込み、急加速や急ブレーキ、急ハンドルなどがあった場合、プリザンター上に登録される仕組みを構築。登録と同時に、管理者に自動的にメールが飛ぶようになっています。つまり、管理者はインシデントが発生した翌日には指導が行えるわけです。「約500台のサービスカーが毎日稼働する中、運行上の問題が発生した時に、タイムリーにコンタクトを取り、本人と話し合いながら改善を図れる点は非常に有効。プリザンターの採用が奏功していると考えています」(矢野氏)。

定量的なデータでも、貸与品管理システムでは、従来、棚卸の実施フォローに週2時間程度、全9部門の半期計算で約432時間掛かっていた工数が、プリザンターの導入によりゼロになっています。サービスカー運行管理システムでは、手計算の集計業務について、全部門半期分の約1,376時間が自動化によってゼロとなり、ファイルの保管も不要。数値面でも業務コストの削減につながっているのです。

今後の展開:高い技術力でプリザンターのサポートとアプリ構築を提供
ロボティクスフィールドサービスや統合資産管理サービスと連携させ、様々なデータの蓄積や分析を可能に

従業員のプリザンターへのアクセス件数を集計し、グラフ化。使われていなければ原因を探り改善につながることができる。外販ではこうした稼働実績データも提供していく

HISYS-FSでは、社内で得たノウハウを基に、プリザンターを同社のサポートサービスとして外販していく計画です。「1つ目が標準サポートサービス。プリザンターを導入した顧客に、メールによる問い合わせ対応やトラブル対応を行います。2つ目が安心サポートサービス。標準ではできないプラットフォームの切り分け、導入後の稼働実績データの提供を行うものです。そして、3つ目が業務アプリサポートサービス。私たちの技術力で、プリザンターのアプリを毎月定額のサブスクリプション方式で作り、保守運用を行います。ランニングコストだけで、業務改善につながる様々なアプリを構築し、運用できるのがメリットです」(小池氏)。

これらのサポートサービスと共に、自社内で既に実績を持つ貸与品管理システムやサービスカー運行管理システムなども、提供していく予定です。通常のプリザンターの機能に加え、同社の高い技術を使って様々なカスタマイズが施され、便利に進化しているのが特徴。そうした利便性の高い独自機能を活用しつつ、それぞれの顧客の業務に合わせたカスタマイズも可能であり、同様に貸与品やサービスカーの管理に課題を抱える企業であれば、使えるシステムを低コスト・短納期で実現できます。「その他にも、ロボティクスフィールドサービスや統合資産管理サービスなどとも連携させながら、プリザンターの様々な提案の機会を探っていきたい」と、小池氏は話しています。



写真提供:株式会社日立システムズフィールドサービス 横浜支店 第1サービス部 様
企業名
株式会社日立システムズフィールドサービス ホームページ
所在地
東京都江東区越中島3-5-25 I.K&T渡辺ビル
設立
1996年6月21日
資本金
1億円
事業
日立システムズグループの一員として、サーバや社内LANなどの情報通信インフラから、電源・監視カメラ・セキュリティなどのIT設備インフラ、太陽光発電やEVスタンドなど社会インフラまで、幅広いファシリティサービスを展開。国内約300拠点を活用し、顧客のIT機器・非IT機器を保守運用する手厚いサポート体制が強み。コンタクトセンター業務やスマートデバイス・IT機器のキッティングサポート、顧客の物流業務を代行するロジスティクスサポートも提供する。従業員数は2,800名(2021年4月現在)。

※国内約300拠点:日立システムズグループが連携したネットワーク
このページをシェアする