世界的エンジンメーカーがローコード開発プラットフォームとしてプリザンターを導入。内製化により、貿易関連情報システムを短納期で開発!

  • 日欧EPA貿易関連情報をExcelで管理。関連部門との情報共有や連携に課題
  • データベースが開放されており他システムとの連携が容易なプリザンターを選定
  • セルに直接入力できる一覧編集機能などExcel同様の操作をWeb上で実現

同社小形事業部 営業部 営業企画部 管理グループ 岸山悟 課長

課題

最重要な貿易関連情報のExcelによる管理が困難
Webアプリ化で問題を一挙に解決。脱Excelで効率化

 ヤンマーパワーテクノロジー株式会社は、農機・建機などの産業機械向けに、小形・大形エンジンの製造を行い、世界各国で事業を展開する大手メーカーです。同社の中で農機や建機向けに産業機械用小形エンジンを製造・販売するのが小形事業部であり、今回は同事業部の営業部がプリザンターを導入しました。農機や建機メーカー向けに、小形エンジンを欧州各国に輸出する際に必要となる極めて重要な貿易関連情報を、営業部や貿易部、各国の現地法人が共有するためのWebデータベースとしてプリザンターを活用しているのです。

世界的エンジンメーカーとして世界各国に展開している

 貿易関連情報とは、具体的には「EPA貿易管理表」のことです。2019年に発効した日本とEUの経済連携協定(EPA)では、品目別原産地規則(PSR)の付加価値基準により原産品が設定された製品は関税率の引下げが適用されますが、どの国のどのメーカーに何のエンジンを供給し、それが関税率の引下げの対象か否かなどの情報をまとめているのがEPA貿易管理表です。
 その管理表を営業部では従来、Excelに入力して管理していました。しかし、数多くの問題を抱えていたと、同社小形事業部 営業部 営業企画部 管理グループ 課長の岸山悟氏は話します。「複数の部門で情報を更新してメールで送り合うなどしていたため、どれが最新版なのか管理するのが困難な状況でした。また、誰がいつ更新したのかを調べることもできない。そして、他のシステムと連携できないことも課題。当社では自社スクラッチ開発の販売物流管理システムを導入しており、同システムで管理する欧州向け関税率の引下げ対象製品には特別なマークを付けています。そのマークの添付に抜け漏れがないかをシステム上でEPA貿易管理表と照合したいと常々考えていましたが、Excelでは難しいのが実情だったのです」。これらの問題を解決するには、今までのExcelでの管理からWebデータベースによる管理に移行することが不可欠。岸山氏はそう判断し、プリザンター採用に向け自ら動くことを決断したのです。

選定のポイント

WebアプリでありながらExcelに近い操作性とレスポンスを実現
ソースコードが公開されており、単純かつ明快な構造も高評価

岸山氏は早速、方策を検討しました。コストと短納期の面を考慮すると、「外部への発注」、「自社でスクラッチ開発」は除外され、「複数のWebデータベース製品を候補にした、サービスの検証による製品選定」が取るべき選択肢であると判断。実際に調べてみると、プリザンターを含めていくつかの製品・サービスが候補として挙がってきました。
 その中でプリザンターをなぜ選定したのか――。プリザンターを選んだ一つの理由は、誰もが簡単にアクセスでき、Excelと同程度の操作感でデータを入力・共有・集計できる点です。プリザンターは帳票が元々Excelに近い表示形式であり、直感的な操作が可能で入力負荷が少ないのが特徴。さらに岸山氏は、富士通を介してプリザンターの製造元であるインプリムに、「操作性をより向上させるため、一覧で表示している帳票のセルに直接入力や修正ができるような機能を付加できないか」と相談したところ、インプリムがカスタマイズして実装が実現。「他社のWebデータベースは帳票形式から一度単票形式に切り替えないと編集できないのですが、プリザンターであれば帳票に直接入力が可能になり、選定の際の大きなポイントになった」と、岸山氏は評価します。
 

一覧表示のままExcelライクに直接編集できる一覧編集機能の画面例

 プリザンターの選定を後押ししたもう一つの決定的な要因が、データベースへのアクセスが開放されており、その構造も単純かつ明快なため、他のシステムとの連携が容易であることです。「他社製品は連携には高いITスキルが要求され、そもそもソースコードが未公開であるため拡張が困難。プリザンターはその点をクリアしており、優位性が高かった」(岸山氏)。その他、修正の履歴が明確に管理できることなどもメリットとして捉え、岸山氏はプリザンターの導入により、課題解決を図ることを目指したのです。

導入と効果

手作業ではほぼ不可能な照会処理をプリザンターで自動実行
運用後もテーブルの追加が容易で、各部署の要望に対応

 インプリムによる一覧編集機能のカスタマイズを経て、プリザンターを使ったEPA貿易管理表のWebデータベースは、岸山氏自身が構築しました。「基本的にマウスの操作だけで構築できるため、非常に簡単」と岸山氏は話します。
 一方、販売物流管理システムとの連携も、プリザンターのソースコードが取得できるため、問題なく実現しています。同システムで管理している関税率の引下げ対象製品の特別なマークに関して、プリザンター上で動くEPA貿易管理表と、毎日システム上で照合され、登録漏れの有無の結果を岸山氏のメールに通知される仕組みが整っています。「この照合を手作業で行うことはほぼ不可能。プリザンターの導入によって1分以内に自動で行えるようになっています。運用後、一度だけ登録漏れが通知され、修正したこともあります。このマークがないと関税率の引下げを受けられない可能性があったため、極めて重要な役割を果たしたと言えます」(岸山氏)。
 運用後も、必要に応じて入力や集計する項目を簡単に追加したり、変更できる点も非常に役立っています。「一般的なWebデータシステムであれば、一度テーブルを設定したら容易には増加できない。その点、プリザンターは予め変更領域が確保されており、すぐに増やすことが可能。本番運用しながら調整できることは他製品にはない優れたメリットです」(岸山氏)。例えば、現地法人から取引関連の申請書をPDFで管理する機能の要望があった際、すぐに設定でき、現地法人から喜ばれたこともあります。こうして臨機応変に改善できることも、プリザンターの大きな利点だと岸山氏は実感しています。

EPA貿易管理のシステム構成図

 加えて、ユーザーが増えても追加費用が発生しない点も、評価ポイント。「他製品であれば、例えば10ユーザーごとに課金されるなどが普通ですが、プリザンターの場合、それがない。予算を設定することなく気軽に利用を促すことができ、現在、グループの海外拠点での活用も広がっています。」(岸山氏)。

今後の展開

プリザンターを業務改善プロジェクトの切り札に
ヤンマーのグループ内での提案も図っていきたい

 プリザンターが非常に有効であり、各部門からの評判も上々であることが分かった今、岸山氏はその他のExcelで情報共有している業務をプリザンターで運用することも検討しています。「大半の部署では、依然として業務をExcelで管理しています。そうした業務はプリザンターに移行できると考えています」(岸山氏)。
 岸山氏は、業務改善の切り札としても有力であると見ています。「私は現在、小形事業部内の業務改善プロジェクトのメンバーに名を連ねていますが、Excelで情報共有しているような仕組みの代替案としてプリザンターを紹介しようと考えています」(岸山氏)。
 今回は、ヤンマーパワーテクノロジーのような大企業においても、プリザンターの有効性が明らかになった事例と言えます。導入を検討している企業があれば、同社のように富士通を通じてインプリムにカスタマイズを依頼したり、構築の方法について相談することができる他、富士通が中心となり、プリザンターを含めたシステムの開発、連携などを行うことも可能です。「もちろん、Excelでの管理に適した業務もあります。しかし、システム連携を図りたいのであれば、プリザンターが有利。今後は、ヤンマーのグループ内でも展開を提案していきたい」と岸山氏は話しています。

 
 

企業名 ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
所在地 大阪府大阪市北区茶屋町1-32 YANMAR FLYING-Y BUILDING
設立 2020年4月1日
資本金 9,000万円
事業内容 1912 年、大阪で創業したヤンマーは、1933 年、世界で初めてディーゼルエンジンの小型実用化に成功。2020年4月1日、ヤンマー株式会社は組織再編に伴い、ヤンマーパワーテクノロジー株式会社に社名変更し、グループのエンジン事業(エンジンの開発・製造・販売・サービスなど)を管轄。パワーソース分野における世界基準の創造を目指し、ライフサイクルバリューの最大化と環境負荷の最小化を実現する技術ソリューションを提供する。今回は同社で産業用機械用小形エンジンを手掛ける小形事業部の営業部でプリザンターを導入。
この事例の開発パートナー

富士通ミドルウェア
富士通製ソフトウェアとパートナー様の製品・サービスを組み合わせ、お客様に最適なICTソリューションを提供しています。
パートナー様の製品・サービスや技術力・ノウハウとのコラボレーションにより、お客様のデジタルビジネスを支える新たな価値を創造します。


このパートナーに問い合わせる