【ユーザ寄稿】OSSにおける一歩進んだサポートサービスの利用法
アプリケーション開発において、OSS(オープンソースソフトウェア)を利用することにより、ローコストかつスピーディにスモールスタートでき、迅速にリリースして効果を得ることが可能です。例えばOSSのローコード開発プラットフォームであるプリザンターでは、業務適用範囲や利用部署が拡大するにつれてスケールアップし、さらに部門から要請された新しい機能を自由に付加して、自社内で継続的にアップデートしていけるところも魅力のひとつになっていますが、これを支えるサポートサービスの充実度も注目されています。
OSSにおいて、なぜサポートを活用すべきなのか、そして具体的にどのようなメリットがあるのか、企業が直面する課題と、その解決としてのOSSにおける一歩進んだサポートサービスの利用法について紹介してみましょう。
(1)OSSにおけるサポートの活用 ―「OSSなのにサポート?」
OSSにおけるサポートサービスは、商用サービスやパッケージソフト、サーバーなどのインフラ系OSSのサポートに比べると、イメージが浮かびにくい点があるかもしれません。
そこには、通常の商用システムのサポートとはまた異なった課題があり、それらは企業の運用担当や情報システムが今日の現場で直面している課題とまさに一致しています。言葉を変えると、システムを運用する上で可用性、機密性、完全性についての明確な解答を求める際には、必ず解決しなければならない課題と重なると言えると考えられます。
OSSのサポートサービス利用にあたっては、一般的に次のような疑問が浮かぶかもしれません。
・緊急時のサポートにどれくらい応えてくれるの?
・トラブル対策以外にも利用できるの?
・自社の技術者不足をどの程度カバーできる?
・商用アプリケーションに組み込む場合、ライセンスが複雑では?
・開発課題に関してどこまでサポートに頼っていいの?
等々
ここでは、これらへの疑問について答えるとともに、一歩進んだOSSサポートの利用の仕方について考えていきましょう。
(2)OSSのプリザンターでサポートサービスを利用するメリット
例えば、OSSのプリザンターでサポートサービスを利用するメリットとしては、次のポイントが挙げられます。
① 操作方法への効率的な回答
企業の情報システム部門においての利用では、開発や技術に関する質問が主体となりますが、他部門へと導入を広げた場合には、最も多く投げかけられる質問は「操作」に関わるものです。こうした操作系に関する質問が情シスのリソースを食いつぶすことになり、情シスのリソース不足を招き、大事な問い合わせ作業に支障をきたす可能性があります。
一方で問い合わせを投げる実働部門においては、フラストレーションを招き、システム離れを引き起こす危惧が生まれます。こうした操作方法に迅速に答えてくれるサポートサービスの活用は双方に歓迎されます。
サポートサービスを活用することで、より適した操作方法や、最善の解決法をプロフェッショナルな人材から早期かつ的確に得られます。サポートプランによっては最大10人の問い合わせ担当者をアサインでき、多数のユーザーからの多くの質問を、情報システム部門のリソースをボトルネックとすることなく、サポートサービスへ登録できます。
② トラブル対処により可用性を高める
情報システム部門や、業務システムを利用するユーザー部門における運用や操作方法に関する疑問は、信頼度成長曲線のように運用開始時から初期時により多く、しかも急激に発生します。その解決法の提供遅れはスムーズな運用の開始を妨げることになります。またシステムの可用性を考慮した場合、その稼働率を上げるため、動作不能時間を短くして問題解決を早める必要があります。
またトラブル、システムの問題に対する対処の遅れも、業務の停止と直結します。特にクリティカルな場面でのトラブル発生時に、敏速でプロフェッショナルなサポートが得られることは大きな安心につながります。
インプリムの提供するサポートサービスでは初回応答時間を設定し企業の抱えるこれらの問
題に答えています。
サポートサービスでは、プリザンターを熟知し、時にはプリザンターのコードそのものを開発しているメンバーも含めたチームで対処を行いますので、早期に問題の解決を図ることができ、システムの可用性を高めることが可能になります。
OSSの利用は「自己責任」のイメージが強いかもしれませんが、経験あるサポートがバックアップすることによって、その懸念を払拭することができるのです。
多くの部門で重要なデータを担うシステムに対し、開発エンジニアと連携して質問への回答、トラブル対処を迅速に行うため、スタンダードプラン、プレミアムプランプランでは、最初の回答までの時間を1営業日と定めています。そのため、早期の解決法の提示やトラブル対処が可能となります。またサポートサービスでソフトウェアの問題が報告された場合には、プリザンターの年間100回を超すアップデートでフィードバックが図られています。
③ トータルサポートを提供してくれるパートナーの活用
サポートサービスのメリットはトラブル時だけではありません。日常運用の中で、あるいは次の開発計画で実現したいことに向けて、熟練した多彩なパートナーがサポートしてくれます。プリザンターのパートナーは、それぞれITシステム運用会社ならではのきめ細かいサービスと、顧客に適応した特徴あるシステム運用サービスを提供している企業ばかりです。
また、プリザンターはあくまで企業システムの一部であり、プリザンターだけの可用性に注目するのではなく、基幹システムとの連携への視点も重要です。特に既存の他社システムを含めた、基幹システムとプリザンターを連携させるケースにおいては、幅広い経験と知識で、システムの連携方法や運用をトータルに支援してくれるパートナーが必須になります。インプリムのパートナーには、システムの設計・開発から運用支援、保守サポートと多岐にわたった専門分野を得意とする企業が揃っており、それぞれの顧客ニーズに合ったシステム運用サービスが提供されています。
④ 商用ライセンスの活用で「ライセンス懸念」を払拭
プリザンターの通常ライセンスは、AGPL(GNU Affero General Public License)で提供されます。AGPLでは自由なコピー、改変と再配布が認められていますが、ソフトウェアの頒布時に同じライセンスを適用することが記されています。またコピーレフト(著作権を保持した状態で利用者にコピー・改変・再配布を許可する)ですので、開発したシステムにプリザンターを組み込んで納品する場合などに、あるいは懸念を感じることがあるかもしれません。
このような場合に対応して、Enterprise Editionは、商用ライセンスとして提供されています。そのため、企業アプリケーションへの組み込みも制約なしに行うことが可能です。自社製品にOSSを導入することは躊躇するが、商用ライセンスであれば導入できるという企業の安心感につながります。
⑤ コスパの高いサポートサービスでトータルコストを節減
近年では情報システム部門でも、運用コストやリソースの削減が求められる時代となりました。企業に欠かせない存在であるにもかかわらず、直接的な利益を生み出さないことから「コストセンター」と見られることが多い情報システム部門ですが、競合他社との熾烈な競争に勝ち抜く企業は、もれなくこうした自社内部のIT部門を経営戦略の「武器」として活用し、業績アップにつなげています。
マニュアルを睨んだり、社内対応に多くの時間をかけるよりも、サポートを効果的に活用することで、トータルコストを抑え、部門自体に戦略的価値を与える契機にすることも可能です。
例えば、企業で利用されているSFAのSaaSではエンタープライズ向けでは18,000円/月(1ユーザー)であり、安価とされるWebデータベースのSaaSでも1,500円/月(1ユーザー)となります。
プリザンターの年間サポートでは、100ユーザで利用した場合、ミニプランでは1ユーザー当たり 150円/月、プレミアムプランでは1ユーザー当たり 1,000円/月と非常にコストパフォーマンスが高くなっています。
またEnterprise Editionでは6種類のデータ項目合計数で900個まで増加させられる特典も提供されています。
優れたサポートサービスを効率的に活用することによって、コストカットを超えて、情報システム部門ならではの業務に特化することができます。これが、会社全体に対して、守りのコスト節減から攻めの新たな利益付与へと、部門の体質を変換することにも繋がると考えらえれます。
(3)サポート活用でプリザンターを有効活用
プリザンターのサポートサービスを利用している企業の多くは、様々なサポートメリットに魅力を感じ、また自社の課題解決の観点から、プリザンター本体と、そのサポートサービスをセットとして利用されています。
また、プリザンターを開発しているインプリム社のパートナー各社自体、自社でプリザンターを利用するとともに、自らがインプリム社とのサポートサービスを利用しています。こうした経験からサポートを提供する立場と、それを受ける立場をよく理解していますので、最善のソリューションと安心感を与えてくれるはずです。もちろん今後の顧客の開発計画にあたっては、的確なアドバイスも提供してくれることでしょう。
プリザンター開発元のインプリム社でも、プリザンターの採用事例を多く公開していますので、多くの企業がプリザンターを有効活用して成果を上げているという情報を詳しく見ることができます。
OSSのサポートというと、どこか馴染みがないように感じる企業も少なくないと思いますが、OSSはコストパフォーマンスに優れ、自由闊達にシステムを構築することができる一方で、想定外の事象にあたることもあると思います。OSSにおけるサポートサービスの特徴を理解した上で有効に活用し、サポート現場に強力なバックアップ体制を備えていただきたいと思います。