PURPOSE
インシデント管理を無料のOSSで始める
ヘルプデスク・サービスデスクのインシデント管理から、問題管理・変更管理・IT資産管理まで。ITサービス管理(ITSM)の仕組みを、日本国内で開発されているオープンソースのプリザンターで無料から構築できます。自社のサーバー(オンプレミス)にも構築できます。
こんなお悩みはありませんか
- ヘルプデスクに届くインシデントをExcelやメール、チャットで管理していて、対応漏れや二重対応が起きる
- 対応の状況が担当者にしか分からず、引き継ぎや報告に時間がかかる
- 工場や拠点が多く、各地からの問い合わせを1か所で把握できない
- 同じ障害が繰り返し起きるのに、原因や対処の記録が残っていない
- 作業の承認をExcelやメールで回していて、承認の証跡が残らない
- ITSMツールを入れたいが、利用者の人数ごとの料金が高く、予算が取れない
- セキュリティポリシーで、クラウドのサービスを使えない
インシデント管理から、ITサービス管理(ITSM)全体へ
プリザンターは、業務に合わせて項目や画面を自由に作れるWebデータベースです。ヘルプデスク・サービスデスクのインシデント管理から始めて、問題管理・変更管理・IT資産管理へと、ITサービス管理に必要な仕組みを1つの基盤の上に広げられます。テーブル同士をリンクすれば、インシデントと原因(問題)、変更、対象の機器をつないで管理できます。
| プロセス | プリザンターでの実現方法 |
|---|---|
| インシデント管理 | 標準のテンプレート「インシデント管理」からすぐに始められます。受付・対応・解決・クローズの流れをプロセスで作り、期限の近いものはリマインダーで知らせます |
| 問題管理 | 問題のテーブルをインシデントとリンクし、同じ原因のインシデントをまとめて、根本原因と恒久対策を記録します |
| 変更管理 | 申請・承認・差し戻しの流れ(ワークフロー)をプロセスの設定で作り、誰がいつ承認したかを履歴に残します |
| 構成管理・IT資産管理 | パソコン・通信機器・ソフトウェアライセンス・IPアドレスなどを台帳で管理し、インシデントや変更と対象の機器をリンクします |
| サービス要求・問い合わせ | 社内からの問い合わせや依頼を受け付けて、対応の状況を依頼した人とも共有します |
| ナレッジ・FAQ | 解決した方法をFAQとして蓄積し、次の対応や自己解決に役立てます。Pleasanter MCPを使えば、AIエージェントに自然なことばで頼んで、ためたデータを取り出せます |
インシデントの流れとステータスの設計
受付 → 分類 → 優先度 → 対応 → 解決 → クローズ という流れは、プリザンターのプロセスと状況による制御を組み合わせて作ります。プロセスは、ステータスに応じたボタンを画面に出し、押したときの入力検証・ステータスの変更・通知を設定する機能です。状況による制御は、ステータスごとに項目を入力必須・読取専用・非表示にしたり、レコード全体を読取専用にしたりする機能です。
プロセスのボタンはアクセス制御で押せる人を組織・グループ・ユーザで絞れるので、「クローズの承認はヘルプデスクの責任者だけ」といった決まりを画面で守らせられます。ボタンを押したときの通知は、メールのほかTeams・Slackなどにも送れます。設定の具体例はFAQ:ワークフローをプロセス機能で実現するとFAQ:状況による制御の使用例にあります。
優先度とSLAの設計例
テンプレート「インシデント管理」には、緊急度・インパクト・優先度の項目が最初から入っています。影響の大きさ(インパクト)と急ぎ具合(緊急度)の組み合わせから優先度を決める、よく使われる考え方の例です。
| インパクト \ 緊急度 | 緊急度:高 | 緊急度:中 | 緊急度:低 |
|---|---|---|---|
| インパクト:高 | 致命的 | 高 | 中 |
| インパクト:中 | 高 | 中 | 低 |
| インパクト:低 | 中 | 低 | 低 |
SLAの期限を知らせる
優先度ごとに「致命的は当日中、低は5営業日以内」のように対応期限の目安を決め、日付の項目に入れておきます(値は自社のSLAに合わせて決めます)。リマインダーの基準の項目にその日付を指定すると、期限が過ぎたレコードや期限が近づいたレコードを、メールやTeams・Slackなどへ定期的に一覧で知らせます。条件にビューを指定すれば「優先度が高以上のものだけ」のように絞れます。
リマインダーの実行は最も短くて1日1回(毎日)です。時間単位で見張りたい場合は、バックグラウンドサーバスクリプト(毎時の実行を指定でき、特権ユーザが設定)で期限を過ぎたレコードを調べて知らせる仕組みを作ります。
テーブルとリンクの関係(データモデル)
ITSMの記録は、プロセスごとにテーブルを分けてリンクでつなぎます。子のテーブルの分類項目で親のテーブルのレコードを選ぶと、親の画面には子のレコードの一覧が出ます。サマリを使えば、問題にリンクしたインシデントの件数も自動で数えられます。
技術者向け:スクリプトとAPIで作り込む
画面の設定だけで足りないところは、サーバスクリプト(「サーバースクリプト」とも表記されます)とAPIで補えます。どちらも標準の機能です。
例1:緊急度とインパクトから優先度を自動で入れる(サーバスクリプト)
上の表のとおりに優先度を決める例です。テンプレート「インシデント管理」の項目(緊急度=ClassG、インパクト=ClassH、優先度=ClassI)を使い、条件は「作成前」と「更新前」にします。
// 緊急度(ClassG)×インパクト(ClassH)から優先度(ClassI)を決める
const level = { '低': 1, '中': 2, '高': 3 };
const score = (level[model.ClassG] || 1) * (level[model.ClassH] || 1);
if (score >= 9) {
model.ClassI = '致命的';
} else if (score >= 6) {
model.ClassI = '高';
} else if (score >= 3) {
model.ClassI = '中';
} else {
model.ClassI = '低';
}
ユーザマニュアル:サーバスクリプト:model/サーバスクリプト:条件
例2:Zabbixなどの監視ツールのアラートからインシデントを登録する(API)
Zabbixなどの監視ツールが障害を検知したときに、レコード作成APIを呼んでインシデントを登録する例です。受付方法(ClassL)に「通知」を入れておけば、人が受け付けたものと区別できます。APIキーは事前に作成しておきます。
curl -X POST "http://{サーバ名}/api/items/{サイトID}/create" \
-H "Content-Type: application/json" \
-d '{
"ApiVersion": 1.1,
"ApiKey": "{APIキー}",
"Title": "web01 から応答がない",
"Body": "Zabbix からの自動登録",
"ClassHash": { "ClassL": "通知", "ClassG": "高", "ClassH": "中" }
}'
ユーザマニュアル:API:レコード作成/APIキーの作成
情報システム部門向けのテンプレートを標準で用意
項目を一から作らなくても、テンプレートを選ぶだけで始められます。自社の運用に合わせて項目を足したり、テーブル同士をリンクしたりして育てていけます。
- インシデント管理・問合せ
- パソコン資産管理・通信機器資産管理・ソフトウェアライセンス管理
- パソコン貸出管理・パソコン持出し管理
- IPアドレス管理・ドメイン有効期限管理
- エスカレーション連絡先・外部ベンダ連絡先
- セキュリティチェック・電子ファイル格納先
社外のお客様からの問い合わせには、顧客サポート向けのテンプレート「問合せ管理」「FAQ」も使えます。
ITSMを支える標準の機能
- 通知:登録や更新をメールやTeams・Slackなどで知らせる(通知)
- リマインダー:期限が近い、または過ぎたインシデントを定期的に知らせる
- アクセス制御:サイト・レコード・項目の単位で、見られる範囲・変更できる範囲を決める(レコードのアクセス制御)
- 変更履歴:いつ・誰が・何を変えたかが残り、以前の内容に戻せる
- 集計とグラフ:件数や対応時間をクロス集計やグラフで見える化し、カンバンで担当者ごとの状況を並べる
- API:監視ツールなど他のシステムから、インシデントを自動で登録する
- 認証連携:SAML認証やLDAP認証(Active Directoryなど)で、社内のアカウントのままログインする
- 大規模な運用:全社で大規模に使うときの応答性能を支えるキューイング・レートリミット・サイト設定のキャッシュなどを、年間サポートの契約プランに応じて使える(大規模運用サポート機能)
Excel・専用のITSMサービスとの比べ方
どれが合うかは、いまの運用と、どこまで自社で作り込むかによります。一般的な違いを並べました。
| 観点 | Excel | 専用のITSMサービス(SaaS) | プリザンター |
|---|---|---|---|
| 費用 | 追加の費用は少ない | 人数に応じた料金の製品が多い | Community Editionは人数にかかわらず無料。サポートは有償 |
| 複数人での同時利用 | ファイルの共有のしかたによる | できる | できる(ブラウザで使うWebデータベース) |
| 変更の履歴 | ファイル単位。行ごとに追うのは難しい | 製品による | レコードごとに残り、以前の内容に戻せる |
| 通知・期限の管理 | 人が確認して連絡する | 標準で備えるものが多い | 通知とリマインダーを画面で設定する |
| オンプレミス | 社内のファイルサーバーに置ける | 提供元のクラウドで使うものが多い | 自社のサーバーや自社で管理するクラウドに構築できる |
| ITILの手順 | 自分で決めて守る | 最初からそろっているものが多い | インシデント管理はテンプレートから。問題・変更は自社で組む |
| カスタマイズ | 自由だが、管理が属人化しやすい | 製品が用意した範囲で | 項目・画面は設定で。細かい動きはスクリプトとAPIで |
ずっと無償で、自社の環境で使える
- 日本国内で開発されているオープンソース。Community Editionは無償で、使える期間に制限はありません
- 利用者の人数にかかわらず無償で、商用利用もできます。情報システム部門の外の社員にも広げやすくなります
- 自社のサーバー(オンプレミス)や、自社で管理するAWS・Azureなどに構築でき、インシデントや機器の情報を社内で管理できます。インターネットにつながない環境にも構築できるので、自治体・官公庁や工場の情報部門でも使えます
- WindowsとLinuxのどちらでも動き、データベースはPostgreSQL・SQL Server・MySQLから選べます。Dockerのコンテナでも動かせます
全社のサービスデスクとして本番で使うなら、年間サポート
ソフトウェアは無償で使えますが、全社のサービスデスクとして止められない運用をするなら、開発元に聞ける体制があると安心です。有償の年間サポートサービスでは、次のものが使えます。
- 困ったときに聞ける:日々の操作や設定のQ&A、トラブルが起きたときのサポート
- バージョンアップの相談:バージョンアップや開発機能についてのアドバイス、サンプルスクリプトの提供
- Enterprise Edition:画面の項目数の拡張、運用管理ツール、開発支援ツール、商用ライセンス
- 大規模運用サポート機能:全社で大規模に使うときの応答性能を支える機能(契約プランによる)
設計のレビューや性能の改善、データの移行などをまとまって頼みたい場合は技術支援サービス、担当者の育成にはトレーニングがあります。
保守・サポート部門やSI企業が、お客様向けのサービスデスクに
社内の情報システム部門だけでなく、カスタマーサービスや保守・運用の部門が、社外のお客様からの問い合わせや障害の受付に使うこともできます。
- プリザンターのアカウントを持たないお客様にも、フォーム機能で公開した画面から問い合わせを登録してもらえます
- レコードのアクセス制御で、お客様ごと・担当チームごとに見られる範囲を分けられます
- SI企業や保守会社は、この仕組みを顧客に提案・構築し、サービスデスクとして提供できます。認定パートナーになると、プリザンターの導入支援やユーザーサポートを自社のサービスとして提供できます
導入の流れ
ITILの用語の早見表
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| インシデント | サービスが止まった・遅いなど、いつもどおりに使えない出来事。まず元どおりに使えるようにすることを目指します |
| サービス要求 | パスワードの再発行やパソコンの貸し出しなど、障害ではない依頼や問い合わせ |
| 問題 | インシデントを引き起こしている根本の原因。原因を調べ、再発を防ぐ対策を決めます |
| 変更 | システムや機器の設定を変えること。事前に影響を確かめて承認してから行います |
| 構成アイテム(CI) | 管理の対象になるパソコン・サーバー・ネットワーク機器・ソフトウェアなど |
| SLA | サービスの提供側と利用側で合意する水準。対応を始めるまでの時間や解決までの時間などを決めます |
プリザンターが向かないケース
次のような場合は、ITSM専用の製品やSaaSのほうが適している場合があります。
- ITILのプロセス一式を、設定なしですぐに使いたい:標準のテンプレートにあるのはインシデント管理・問合せやIT資産管理などで、問題管理・変更管理のテンプレートはありません。テーブルとプロセスを自社で組みます
- 受信したメールや電話の着信から、自動で起票したい:標準の機能にはありません。外部の仕組みからAPIを呼んで登録する形になります
- サーバーを運用する体制がない:オンプレミスでは、構築・バックアップ・バージョンアップを自社で行います。認定パートナーに任せることもできます
インシデント管理のよくある質問
Excelでのインシデント管理と何が違いますか?
複数の担当者がブラウザから同時に登録・更新でき、レコードごとに変更の履歴が残ります。ステータスの流れや承認をプロセスで決められ、期限の近いものはリマインダーで知らせます。見られる範囲・変更できる範囲も権限で分けられます。
ITILに沿った運用でないと使えませんか?
いいえ。項目もステータスも自由に決められるので、いまの運用のまま始められます。インシデント管理から始め、必要になったら問題管理・変更管理のテーブルを足してリンクする、という広げ方ができます。
何人まで無料で使えますか?
オープンソースのCommunity Editionは、利用者の人数や期間の制限なく無償で使え、商用利用もできます。1つのテーブルで使える項目の数には上限があり、年間サポートを契約するとEnterprise Editionで拡張できます。クラウド版のPleasanter.netは3名まで無料です。
2つのエディションの違い
オンプレミスで動かすには何が必要ですか?
.NET 10が動くWindowsまたはLinuxのサーバーと、PostgreSQL・SQL Server・MySQLのいずれかのデータベースが必要です。Dockerのコンテナでも動かせます。
FAQ:プリザンターの動作環境や推奨スペックが知りたい
サポートは有償ですか?
はい。開発元に質問できる年間サポートサービスは有償です。ユーザマニュアルは誰でも読めます。構築や運用を任せたい場合は、認定パートナーにも相談できます。
年間サポートサービス
いまのExcelのデータを移せますか?
はい。ExcelからCSVで書き出したデータを、テーブルにインポートできます。
ユーザマニュアル:レコードのインポート
Zabbixなどの監視ツールのアラートから、インシデントを自動で登録できますか?
はい。Zabbixなどの監視ツールからレコード作成APIを呼べば、インシデントとして登録できます。このページの「例2」を参照してください。
社内のアカウント(Active Directoryなど)でログインできますか?
はい。LDAP認証やSAML認証を設定すると、社内のアカウントでログインできます。
LDAP認証を利用する
SAML認証を利用する
導入事例
オフィスと各地の製造所で使う3000台以上の端末の資産管理でも“脱Excel”を行いました。

約60業務に広げ、年間900時間の効率化につなげました。自社から親会社、さらにお客様へと展開しています。

お役立ちコンテンツ
プリザンター(Pleasanter)をより便利に活用するための学習・サポート情報をまとめています。
初心者から運用担当者まで、実践に役立つノウハウや事例をご紹介。
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お悩み解決動画
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はじめて触る方向けの基本説明からカスタマイズに必要な開発者向け情報まで。
プリザンターの導入をご検討中の方へ
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