COMPANY-WIDE GUIDE

部署から全社へ:プリザンターを全社で使うときのガイド

部署で使い始めたプリザンターを、全社の業務へ広げるときに決めることをまとめました。権限の設計、社内の認証との連携、性能、検証環境と本番環境、運用の把握、利用人数とプランについて、要点と、ユーザマニュアルの該当ページを案内します。

STAGES OF ROLLOUT

利用を広げる段階と、決めること

1つの部署で使っている間は、サイトを作った人が、使う人にアクセス権を付けます。使う部署が増え、全社で使うようになると、決めておくことが増えます。

利用の段階 決めること 1つの部署で使う 作った人が、使う人に権限を付ける 複数の部署で使う 組織・グループの単位で権限を付ける フォルダで分けて、権限を継承する 全社で使う 社内の認証とつなぐ 性能と冗長構成を検討する 検証環境と本番環境を分ける 利用状況と権限を見える化する 人数に合うプランを選ぶ
利用を広げる段階と、このページで取り上げる「決めること」

FIRST DECISIONS

1. 全社展開で最初に決めること

使う部署が増える前に、誰がユーザーや組織を管理するか、誰がサイトを作ってよいか、組織とグループをどう持つかを決めておきます。

誰が管理するか:ユーザーの3つの種類

プリザンターのユーザーは、一般ユーザー・テナント管理者・特権ユーザーの3つに分かれます。種類によって、できる操作が違います。

種類 できること アクセス権のないサイト
一般ユーザー アクセス権のあるサイト・レコードの閲覧と操作、サイトの作成 閲覧・操作できません
テナント管理者 一般ユーザーの操作に加えて、テナント・組織・グループ・ユーザーの管理 閲覧・操作できません
特権ユーザー テナント管理者の操作に加えて、システムログの表示、ほかのユーザーに成り代わる操作(スイッチユーザー)、トップ画面のごみ箱の操作など アクセス権にかかわらず、すべてのサイト・レコードを操作できます
  1. インストールした直後にあるユーザー「Administrator」は、テナント管理者です。特権ユーザーは、インストールした直後には存在しません
  2. テナント管理者にするかどうかは、ユーザーの管理の画面で設定します。特権ユーザーは、パラメータファイル(Security.json)で設定します
  3. テナント管理者や特権ユーザーが持つ権限を、一般ユーザーに個別に与えることはできません

マニュアル:ユーザ管理機能(ユーザ種別)
マニュアル:テナント管理者の設定
マニュアル:特権ユーザの設定

運用の役割と、使う機能

全社で使う運用では、ユーザーの3つの種類とは別に、次のような役割を置くことがあります。それぞれを、プリザンターのどの機能で実現するかを並べました。

運用の役割 担うこと 使う機能
利用者 プリザンターで業務を行う 一般ユーザー。サイトの読取り・作成・更新などのアクセス権
サイトの管理者 サイトの作りと、アクセス権をメンテする サイトのアクセス権の「サイトの管理」「権限の管理」
部課の管理者 部課の中のサイトを、まとめて管理する 部課の管理者に当たる、専用のユーザーの種類はありません。部課のフォルダの「サイトの管理」「権限の管理」を、部課の管理者のグループに付け、配下のサイトに継承させます
テナント管理者 ユーザー・組織・グループを管理する テナント管理者

誰をどのグループに入れるか、担当が替わるときの引き継ぎ、兼務や組織の改編への備えなど、運用の体制の細かい設計は、技術支援サービスでご相談いただけます。

誰が作ってよいか

既定では、一般ユーザーもサイトを作成できます。パラメータファイル(User.json)の設定で、次の操作を、ユーザーの管理の画面で許可したユーザーだけにできます。

  1. トップ画面にサイトを作成する(「サイトトップへの作成を許可」にチェックしたユーザーだけ)
  2. グループを作成する、グループを管理する
  3. APIを使う

トップ画面へのサイトの作成を制限する設定は、Pleasanter.netではできません。

マニュアル:特定ユーザにのみサイトトップでの新規サイト作成を許可したい
マニュアル:パラメータ設定 User.json

組織・グループ・ユーザーの持ち方

アクセス権は、組織・グループ・ユーザーのどの単位にも付けられます。組織とグループの違いは次のとおりです。

  1. 組織:ユーザーの所属です。一人のユーザーは、1つの組織にしか所属できません
  2. グループ:ユーザーや組織をまとめて、グループの単位でアクセス制御をするための仕組みです。一人のユーザーや1つの組織は、複数のグループに所属できます
  3. グループには、子グループを追加できます。子グループは、親グループのアクセス権を継承します

ユーザーを新しく作るときに、ほかのユーザーのアクセス権をコピーする機能はありません。あらかじめ各サイトで組織やグループにアクセス権を設定しておき、新しいユーザーを組織やグループに所属させると、ユーザーごとにアクセス権を付ける作業を減らせます。ユーザー・組織・グループは、CSVファイルからまとめて登録できます。

マニュアル:組織管理機能
マニュアル:グループ管理機能
マニュアル:子グループの追加
マニュアル:ユーザのインポート
マニュアル:ユーザ新規作成時に特定ユーザのアクセス権と同様のアクセス権を設定したい

RULES FOR BUILDERS

2. 作る人が増えたときに、決めておくこと

サイトを作る人が増える前に、次のようなことを決めておくと、あとから整理しやすくなります。それぞれに使えるプリザンターの機能を並べました。

決めておくこと 使える機能 要点
フォルダの分け方を、権限の単位にそろえる フォルダと、アクセス権の継承 フォルダにアクセス権を設定すると、配下のテーブルなどに継承できます。フォルダの配下にサイトを作るときに、アクセス権を継承しない状態で作る設定もあります(プリザンター 1.4.13.0 以降)
マニュアル:サイトのアクセス制御
マニュアル:サイト作成時に継承しない
どこに作ってよいかを決める トップ画面へのサイトの作成の制限 トップ画面にサイトを作れるのを、許可したユーザーだけにできます。設定は1. 全社展開で最初に決めることにあります
よく使う構成を、ひな形として配る サイトパッケージ フォルダやテーブル、リンクの構造、サマリなどを設定した状態で書き出し、別の場所で読み込んで、同じ構成のサイトを作れます
マニュアル:サイトパッケージ
共通で使う情報(マスタ)のテーブルを決める リンク リンクでテーブルの間に親子関係を設定すると、親のテーブルのレコードを、子のテーブルの項目の選択肢として選べます。マスタとしてだけ使うテーブルは、「読取専用の場合は画面に表示しない」をオンにすると、読取りの権限だけを持つユーザーの画面には表示されません
マニュアル:リンク
マニュアル:読取専用の場合は画面に表示しない
サイトごとに、持ち主(メンテする人)を決める サイトのアクセス権の「サイトの管理」 使われていないサイトを片付けるときに、削除するかどうかを確かめる相手になります。持ち主は、個人ではなく組織やグループにしておくと、異動のあとも確かめる相手が残ります
作りを、あとから確かめられるようにする Site Visualizer(Enterprise Edition) サイトの設定の一覧、テーブルのつながりのER図、プロセスの図を表示できます。作った人が替わったあとに、作りを確かめるときに使えます。表の下で説明しています
設計を、作る前に見てもらう 技術支援サービス テーブル設計やアクセス権限、スクリプトの構成のレビューを頼めます。9. 全社展開の進め方にまとめています

使われないサイトを増やさない

全社で使うと、作った人しか中身を知らないサイトや、使われなくなったサイトが増えていきます。上の表の機能を、次の3つの段階として組み合わせると、増やさずに片付けやすくなります。

段階 やること 使う機能
作らせない トップ画面にサイトを作れる人を、許可したユーザーだけにする トップ画面へのサイトの作成の制限(1. 全社展開で最初に決めること)
置き場を決める 部課ごとのフォルダの下に作ってもらう。よく使う構成は、ひな形として配る フォルダとアクセス権の継承、サイトパッケージ(上の表)
棚卸す 使われていないサイトを洗い出し、持ち主に削除するかどうかを確かめる Operations Tools(Enterprise Edition)のサイト情報一覧(7. 運用を見える化する)

Pleasanter.netでは、トップ画面へのサイトの作成を制限できません。Operations Toolsは、Pleasanter.netの環境と、データベースがMySQLの環境では使えません。

棚卸しの周期や削除の判断の基準などの運用のルールづくりや、すでに増えたサイトの整理の進め方は、技術支援サービスでご相談いただけます。

作りを見える化する:Site Visualizer

Site Visualizerは、Chrome・Edgeの拡張機能です。プリザンターの設定の画面では、詳しい設定を確かめるたびにダイアログを開きますが、Site Visualizerでは、設定を一覧で確かめられます。作った人が替わったあとに、作りを確かめるときにも使えます。

  1. サイト設定表示:指定したサイトの設定を表示します(プリザンター 1.4.19.0 以降)
  2. ER図表示:指定したサイトのER図を表示します。テーブルのつながりを確かめられます(プリザンター 1.4.21.0 以降)
  3. プロセス図表示:指定したサイトのプロセスの流れを、図で表示します(プリザンター 1.5.4.0 以降)
  4. Enterprise Editionの環境で使えます。Pleasanter.netの環境では使えません
  5. 使うには、そのサイトの「サイトの管理」の権限が要ります。「サイトの管理」の権限を個人ではなく組織やグループに付けておくと、引き継いだ人も、作りを確かめられます

マニュアル:Site Visualizer 機能概要
マニュアル:Site Visualizer サイト設定表示
マニュアル:Site Visualizer ER図表示
マニュアル:Site Visualizer プロセス図表示

作る人を増やした企業の事例

アプリを作るときのルールを設けて、ユーザー部門でのアプリの作成を進めた事例です。

  1. KHネオケム株式会社 様:業務システムを内製化できる環境と体制を整備。内製化を実現するうえで必須の機能を本体拡張開発としてメーカーに依頼。
  2. 株式会社TBK 様:サポート終了となる既存グループウェアをプリザンターに移行。ユーザー部門が欲しい業務アプリを自ら作成できる体制を構築。

PERMISSION DESIGN

3. 権限の設計

プリザンターでは、テーブル(サイト)・レコード(行)・項目(列)のそれぞれに、ユーザー・組織・グループの単位でアクセス制御ができます。3つは、効く範囲が違います。

サイト(フォルダ・テーブル) 項目A 項目B 項目C レコード1 レコード2 レコード3 サイト:テーブル全体に、誰が何をできるか レコード:行ごとに、権限を付ける相手を変える 項目:列ごとに、見える・書けるを変える
サイト・レコード・項目の、3つのアクセス制御
アクセス制御 効く範囲 設定すること
サイトのアクセス制御 設定したフォルダ・テーブル。フォルダに設定した場合は、権限を継承しているサイトにも適用されます 組織・グループ・ユーザーごとに、読取り・作成・更新・削除・エクスポート・サイトの管理などの権限を付けます
レコードのアクセス制御 設定したあとに、新規作成・更新したレコード。既存のレコードは、個別に設定が必要です レコードを作成・更新したユーザーの組織やグループ、レコードの「管理者」「担当者」のユーザーなどに、自動でアクセス権を付けます
項目のアクセス制御 テーブル内のすべてのレコード(既存のレコードにも適用されます) 項目ごとに、作成時・読取り時・更新時の制御を設定します。読取り時の制御では、アクセス権のない利用者に項目が表示されません。更新時の制御では、項目が読取専用になります

マニュアル:アクセス制御の概要

サイトのアクセス権と、継承

  1. アクセス権には、読取り・作成・更新・削除・メール送信・エクスポート・インポート・サイトの管理・権限の管理の9種類があります。組み合わせた標準のパターンとして、読取専用・書き込み・リーダー・管理者があります
  2. トップ画面に作ったサイトは、作成者にすべてのアクセス権が付き、ほかのユーザーには表示されません。作成者が、ほかのユーザーにアクセス権を付けます
  3. 2階層目以降に作ったサイトは、1階層目のサイトの権限の設定を継承します。フォルダにアクセス権を設定すると、配下のテーブルなどに継承できます
  4. 継承を外して、サイトごとに独自のアクセス権を設定することもできます。サイトの構造を変更しても、権限の設定は変化しません

マニュアル:フォルダ機能

設計のときに気をつけること

  1. レコードのアクセス制御は、レコード1件ごとに権限を設定するものです。特定の条件で一覧に表示するレコードを絞り込みたい場合は、サーバスクリプトや拡張SQLを使う方法が、マニュアルで案内されています
  2. レコードのアクセス制御では、作成・エクスポート・インポート・サイトの管理の権限は付与されません。これらはサイトのアクセス制御で設定します
  3. 読取り時のアクセス制御を設定した項目を「タイトル結合」に指定すると、タイトルの上ではアクセス制御が行われません。見せたくない項目は、タイトル結合に指定しないでください
  4. ビュー、エクスポートの書式、プロセスのボタンにも、使えるユーザー・組織・グループを設定できます
  5. 「サイトの管理」「権限の管理」の権限は、個人ではなく、組織やグループに付けておくと、担当の人が異動したあとも、サイトをメンテできる人が残ります。個人に付いている箇所は、Operations Toolsのアクセス権一覧で、ユーザーで絞り込んで確かめられます(7. 運用を見える化する)

マニュアル:レコードのアクセス制御(レコードの編集)

AUTHENTICATION

4. 認証の連携

社内の認証基盤とつなぐ方法は、マニュアルの「認証と認可」にまとまっています。やりたいことから、方式を選べます。

やりたいこと 方式 要点
Active Directoryのユーザーとセキュリティグループを取り込みたい Active Directoryとの連携(同期) ユーザー・組織・セキュリティグループを、設定したスケジュールで取り込みます。パスワードは同期されません。セキュリティグループの同期は、プリザンターをWindows環境に構築している場合に使えます
Windowsにログインしたまま、プリザンターを使いたい 統合Windows認証によるシングルサインオン サーバーとクライアントPCが、Active Directoryにドメイン参加していることなどが前提です
LDAPサーバーで認証したい LDAP認証 Active DirectoryなどのLDAPサーバーでユーザーを認証します。LDAPサーバーに登録されていないユーザーのために、ローカル認証と併用できます。通信の暗号化には、LDAPSを使います
IDプロバイダでシングルサインオンしたい SAML認証
Microsoft Entra IDによるシングルサインオン
ログインに成功すると、SAMLレスポンスのユーザーデータをもとに、プリザンターのユーザーを作成・更新します。プリザンターに、SP側のメタデータを発行する機能はありません
IDプロバイダでのユーザーの追加・変更・削除を、自動で反映したい SCIM機能 IDプロバイダからプリザンターへ、ユーザー情報とグループ情報を自動で連携します。マニュアルでは、Microsoft Entra IDを使う場合の設定を説明しています。プリザンター 1.5.8.0 以降の機能で、年間サポートサービスのプランによって使えます
ログインの確認を強くしたい パスキー認証
TOTPによる二段階認証
メールによる二段階認証
パスキー認証は、HTTPSの環境で使えます。二段階認証は、認証アプリを使う方法と、メールで確認コードを受け取る方法があります

マニュアル:認証と認可
マニュアル:プリザンターにActive Directoryのユーザ情報を同期する

連携するときに気をつけること

  1. Active Directoryと同期した組織・グループ・ユーザーは、プリザンターの側で編集しないでください。編集しても、次の同期でActive Directoryの情報に上書きされます
  2. Active Directoryから同期されたユーザーは、プリザンターからパスワードを変更できません
  3. LDAP認証やSAML認証でユーザー情報を取得する設定にした場合、ユーザーの管理の画面で名前や組織を更新しても、認証サーバーから取得した情報で上書きされます
  4. SCIM機能の連携は、IDプロバイダからプリザンターへの一方向です。プリザンターの側で変更したユーザー情報やグループ情報は、IDプロバイダへ連携されません
  5. SAML認証は、Pleasanter.netの共有環境では使えません

SAML認証とSCIM機能の違い

SAML認証は、認証(シングルサインオン)の仕組みで、ユーザーがプリザンターにアクセスしたときに動きます。SCIM機能は、ユーザー情報を自動で連携する仕組みで、管理者がIDプロバイダでユーザーを追加・変更・削除したときに動きます。

PERFORMANCE

5. 重くしない設計と、性能

使う人やレコードが増えると、性能に影響が出る場合があります。マニュアルに書かれている範囲で、要点をまとめます。

性能は、いくつもの要因で決まる

マニュアルでは、性能は、アクセス制御の設定、リンクの設定、フィルタでの検索条件、項目数、項目に入っている文字の量、ハードウェアの性能、同時アクセス数など、複合的な要因で悪化する場合があるとしています。

  1. サイト数やレコード数に、システム上の制限はありません。最大値の目安は、マニュアルにあります
  2. 目安の範囲内でも、十分な性能が出ない場合があります。個別の環境や要件に合わせた事前の検証が必須とされています

マニュアル:サイトの作成数や登録レコード件数の最大値は?
マニュアル:プリザンターの動作環境や推奨スペックが知りたい

パラメータの設定で、負荷を抑える

  1. 多数のユーザーが同時にアクセスして画面の表示が遅くなる場合:セッションデータの保持にKVSを使う設定で、解決する可能性があります
  2. 大量のレコードがあるテーブルでサマリ同期をする場合:処理を一定の件数ごとに区切り、待機時間を設ける設定で、データベースの高負荷を抑えられます
  3. リマインダーの設定件数やユーザー数が多い環境の場合:リマインダーの確認処理の起動間隔を変える設定で、データベースの定常的な負荷を減らせます(プリザンター 1.5.5.0 以降)

マニュアル:パフォーマンス
マニュアル:プリザンターでKVSを利用する

大規模運用サポート機能

全社のインフラとして大規模に運用するときの、安定した応答性能を支える追加機能です。年間サポートサービスの契約プランによって、使える機能が違います。

  1. 同時実行の抑止:1つのテーブルに対する、インポートや一括更新などの大量データの一括操作が、同時に実行されないようにします
  2. キューイング:レコードのエクスポートとインポートを、バックグラウンドのジョブとして順に実行します
  3. レートリミット:利用者・IPアドレス・APIキーの単位で、過剰なリクエストを抑えます
  4. サイト設定のキャッシュ:一度読み込んだサイト設定を、Webサーバーのメモリ上で再利用します。テーブルごとに有効にできます

どのプランでどの機能が使えるかは、マニュアルの一覧をご確認ください。

マニュアル:大規模運用サポート機能

止められない業務には、冗長構成を検討する

サーバーを複数台にして動かすための設定は、マニュアルの「クラスタ化への備え」にあります。年間サポートサービスのビジネス以上のプランでは、冗長構成や高可用性についての技術的な相談ができます(冗長構成QAサポート)。

マニュアル:クラスタ化への備え

STAGING TO PRODUCTION

6. 検証環境から本番環境へ

検証用の環境で作ったサイトを、本番の環境へ移す方法は2つあります。サイトパッケージと、Enterprise Editionに含まれるDevelopment Toolsです。

サイトパッケージ Development Tools(サイト設定の移行)
しくみ フォルダ配下のテーブルなどの設定を、画面からJSONファイルに書き出し、別の環境で読み込みます データベースに直接アクセスして、サイトの設定を別の環境へ移します。同じサーバーの中、別のサーバーの間のどちらでも移せます
移せるもの テーブルの設定、リンクの構造、アクセス権、データ(含めるかどうかを選べます) サイトの設定。移すときに、サイトID・ユーザーID・組織ID・グループIDを読み替えます。スクリプトやCSSなどのソースコードの取得とアップロードもできます
移せないもの 添付ファイルと画像 レコード、添付ファイル、画像、組織・グループ・ユーザー(これらに紐づくアクセス権は移せます)
使うための条件 「サイトの管理」の権限 Enterprise Editionのライセンス。データベースへの接続が許可されていない環境(Pleasanter.netなど)と、データベースがMySQLの環境では使えません

サイトパッケージで気をつけること

  1. インポートは、新しいサイトを作ります。既存のサイトに上書きすることはできません
  2. インポートすると、サイトIDが変わります。リンク先の情報などは自動で変換されますが、スクリプトにサイトIDやレコードIDを書いている場合は、正しく動かなくなることがあります
  3. 書き出す最上位のフォルダがアクセス権を継承していると、インポート先でアクセスできない状態になります。アクセス権を継承していないフォルダから書き出してください
  4. 別のプリザンターから読み込む場合、レコードに入っている組織・グループ・ユーザーの情報は、読み込み先のIDに変換されません

マニュアル:サイトパッケージ
マニュアル:サイトパッケージのエクスポート
マニュアル:サイトパッケージのインポート
マニュアル:Development Tools 機能概要
マニュアル:Development Tools サイト設定の移行

スクリプトを、エディタから登録する:Code Assist

Enterprise Editionに含まれるCode Assistは、Visual Studio Codeの拡張機能です。スクリプト・サーバスクリプト・スタイル・HTMLを、Visual Studio Codeで保存すると同時に、指定したサイトへ登録・更新できます。プリザンター 1.4.13.0 以降で動きます。

マニュアル:Code Assist 機能概要

OPERATIONS VISIBILITY

7. 運用を見える化する

全社で使うと、サイトの数も、アクセス権の設定も増えます。Enterprise Editionに含まれるツールで、基盤全体の使われ方を確かめられます。困りごとごとに、どのツールで何が変わるかは、困りごとから選ぶ、Enterprise Editionのツールにまとめています。

使われ方を見える化する:Operations Tools

運用支援ツールのOperations Toolsでは、利用状況、性能の状況、アクセス権を、一覧で確かめられます。

知りたいこと Operations Toolsの画面 確かめられること
どれだけ使われているか 運用レポート、利用状況詳細 全体の利用状況、月別・日別の利用状況、ログイン・メール送信・APIリクエストの履歴
遅くなっていないか 運用レポート(性能状況) 性能の状況を、日別と時間別(15分単位)で確かめられます
誰に権限が付いているか アクセス権一覧 サイトのアクセス制御の設定を一覧で表示します。サイト・組織・グループ・ユーザーで絞り込めます
使われていないサイトはどれか サイト情報一覧 サイトごとのレコード数などと、「利用されていない可能性」を表示します。サイトの管理者へ、削除を依頼するメールを送れます
容量が増えすぎていないか 監視アラート データベース・システムテーブル・サイトの使用量に、アラートの上限値を設定できます

Operations Toolsを使い始める前に

  1. Operations Toolsは、プリザンター 1.5.0.0 以降で動きます
  2. Pleasanter.netの環境と、データベースがMySQLの環境では使えません
  3. システムログの拡張機能を使っていない場合は、API関連などの一部の情報を参照できません

マニュアル:Operations Tools 機能概要

サイトの作りを確かめるツールは、2. 作る人が増えたときに、決めておくことのSite Visualizerをご覧ください。

USERS AND PLANS

8. 利用人数とプラン

Community Editionは、利用者の人数や期間の制限なく無料で使えます。開発元のサポートやEnterprise Editionを使う場合は、有償の年間サポートサービスを契約します。

どこまで無料で、どこから有償か

このページで取り上げたものを、エディションごとに並べました。権限の設計、認証の連携、サイトパッケージは、無料のCommunity Editionで使えます。

全社展開で使うもの Community Edition(無料) Enterprise Edition(年間サポートサービス) 備考
サイト・レコード・項目のアクセス制御 使えます 使えます 3. 権限の設計
認証の連携(Active Directory・LDAP・SAML) 使えます 使えます 4. 認証の連携
サイトパッケージ 使えます 使えます 6. 検証環境から本番環境へ
項目の数 基本項目に加えて、分類・数値・日付・説明・チェック・添付ファイルの6種類の項目が、合計156項目まで 合計で最大900項目まで増やせます(MySQLは最大256項目) マニュアル:項目数を増やす手順
ライセンス AGPL 商用ライセンス プリザンターの2つのライセンス
開発元の技術サポート ありません サポートエンジニアに質問できます 9. 全社展開の進め方
ツール(Code Assist・Site Visualizer・Operations Tools・Development Tools) 使えません すべてのプランで使えます Code Assist・Site Visualizer・Operations Toolsは、契約の前に、Community Editionの環境で90日間のトライアルができます
マニュアル:Pleasanter Extensionsトライアル
SCIM機能 使えません 契約プランによって使えます 4. 認証の連携
大規模運用サポート機能 使えません 契約プランによって、使える機能が違います マニュアル:大規模運用サポート機能
冗長構成QAサポート ありません ビジネス以上のプランで使えます 5. 重くしない設計と、性能

Enterprise Editionで使えるもの

プランと、ユーザー数の区分

年間サポートサービスのプランは6つあります。プランごとのユーザー数の上限は、次のとおりです。金額は、価格表でご確認ください。

プラン ユーザー数 価格表での説明
エントリー 〜200名 部署内での利用など〜200名規模に
ベーシック 〜500名 単一事業部での利用など〜500名規模に
ベーシックプラス 〜1,000名 特定業務の全社展開など〜1,000名規模に
ビジネス 〜3,000名 複数部門での共用など〜3,000名規模に
ビジネスプラス 〜10,000名 全社基盤の初期展開など〜10,000名規模に
アンリミテッド 無制限 グループ共通基盤など10,000名以上に

ユーザー数の数え方

  1. 年間サポートサービスのプランは、利用者1人ごとの料金ではありません。ユーザー数の上限とシステム数でプランが決まります
  2. ユーザー数は、プリザンターに登録された有効な(無効でない)ユーザーの総数です。システム数は、プリザンターをインストールした環境の数です
  3. Enterprise Editionでは、契約したプランに応じてユーザー登録数の上限が設定され、上限を超えてユーザーを登録することはできません
  4. 異動や退職で使わなくなったユーザーは、削除しなくても「無効」にすれば数に入りません
  5. グループ会社など契約した法人以外のユーザーも、登録されていれば数に入ります
  6. 冗長構成QAサポートは、ビジネス以上のプランで使えます

全社で使う人数に合うプランは、公開の価格表でご確認ください。

HOW TO PROCEED

9. 全社展開の進め方

進め方は、4つから選べます。組み合わせることもできます。

  • 自分たちで進める

    ユーザマニュアルの手順に沿って進めます。このページの各節から、該当するページへ進めます。作る人を増やすときは、アプリを作りながら基本を学べるハンズオン資料と、公式トレーニングがあります。

    ユーザマニュアル はじめてのアプリ作成ガイド 公式トレーニング
  • 年間サポートサービスで尋ねながら進める

    年間サポートサービスでは、プリザンターの開発元のサポートエンジニアに質問できます。設定のしかた、エラーが出たときの対応、やりたいことが実現できるかどうかなどを聞けます。権限の設定や認証の連携で分からないことがあれば、サポートに尋ねることもできます。要件定義や設計のレビュー、性能の改善などをまとめて頼みたい場合は、次の技術支援サービスで対応しています。

    年間サポートサービスで聞けること(相談の例と対応の一覧)
  • 技術支援サービスに頼む

    全社展開の進め方や設計のレビューから頼みたい場合は、個別の有償サービスの技術支援サービスがあります。プリザンターの開発元が対応します。

    • 全社展開・DX推進支援:小規模な部門での利用から全社共通の基盤へ広げるときの、展開のロードマップ、標準化のルールの策定、運用体制づくりを支援します
    • テクニカルコンサルティング(設計レビュー):テーブル設計、アクセス権限、スクリプトの構成、外部システムとの連携方式をレビューします
    • パフォーマンス調査:データ件数が増えて動作が遅くなった環境の、原因の特定と改善を支援します
    技術支援サービス
  • 認定パートナーと進める

    導入の支援や構築を任せたい場合は、認定パートナーを探せます。認定パートナーは、導入の支援やカスタマイズ、運用の改善を支援しています。構築を担当した認定パートナーがいる場合は、まずそのパートナーにご相談ください。

    認定パートナーを探す

    プリザンターをお客様に提案する、システム開発会社・ソフトウェア会社の方には、認定パートナー制度があります。

    認定パートナー制度のご紹介 システム開発会社の方へ(お客様のシステムに使うときの契約・ライセンス・納品・保守)

全社で使うときのよくある質問

部署ごとに、見えるサイトを分けられますか?

はい。フォルダにアクセス権を設定すると、配下のテーブルなどにアクセス権を継承できます。アクセス権は、組織・グループ・ユーザーの単位で付けられます。「読取り」の権限がないフォルダは、表示されません。
マニュアル:サイトのアクセス制御

Active Directoryのセキュリティグループを、プリザンターのグループとして使えますか?

はい。Active Directoryのセキュリティグループを、グループ名・所属する子グループ・所属ユーザーとともに、プリザンターのグループとして取り込めます。プリザンターをWindows環境に構築していることが条件で、Linux環境では使えません。取り込んだグループは、プリザンターの側で編集しないでください。
マニュアル:プリザンターとActive Directoryを連携する

レコードは何件まで登録できますか?

システム上の制限はありません。最大値の目安は、マニュアルにあります。性能は、アクセス制御やリンクの設定、項目数、同時アクセス数など複合的な要因で変わるため、事前の検証が必須とされています。
マニュアル:サイトの作成数や登録レコード件数の最大値は?

検証環境で作ったサイトを、本番環境の既存のサイトに上書きできますか?

サイトパッケージのインポートは新しいサイトを作るもので、既存のサイトに上書きすることはできません。Enterprise EditionのDevelopment Toolsには、開発環境から本番環境へサイトの設定を移す機能があります。
マニュアル:サイトパッケージのインポート
マニュアル:Development Tools サイト設定の移行

異動や退職で使わなくなったユーザーは、ユーザー数に入りますか?

ユーザーの設定で「無効」にすれば、数に入りません。年間サポートサービスのユーザー数は、プリザンターに登録された有効なユーザーの総数で数えます。
年間サポートサービスの価格表・よくある質問
マニュアル:ユーザの新規作成・編集

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全社への展開をご検討中の方へ

権限の設計や認証の連携、利用人数に合うプランなど、全社で使うときの進め方を、お気軽にご相談ください。